ライボルト+ゴチルゼル(2016.1~2016.10)
第六世代のオフ日程をすべて消化したので、今回は予定を変えて第二回真皇杯から第六世代終了まで使用していた構築の話をします。
さて、前回紹介した構築での問題点がこちら。2015~2016の年末年始の話です。
1 メガライボルトの引き先が難しい
対メガガルーラでは、ねこだましをまもるでかわした後ギャラドスを出していたが、ひみつのちから持ちが増えてゴツメを触ってくれなくなった。かといってねこだまし読みで即ギャラドスに引くと、グロウパンチからランク+1で技が飛んできて崩壊まっしぐらである。かといってハッサムはメガシンカなしでは耐久が心もとない。
あと対マンムーとか対カバルドンとか対ラグラージとかボルトチェンジで帰れない不利対面が増えてきて単純につらい。しかもやつらステロ撒くしほえるし、挙句の果てに後ろ二体はあくびするのでサイクル展開において大きくアドバンテージを取られる。
2 結局耐久型相手がつらい
表選出(ライボルト中心)ではクレセリア、ポリゴン2のような再生技持ちがやはりつらく、毒を入れてもこちらが先に息切れすることも多い。また、対面で耐久無振りメガボーマンダを落とせる火力を用意したのに、ボーマンダにも耐久に振った型が増えてきて上からはねやすめされると回復が間に合ってしまうケースが多くなった。
裏選出(ハッサム中心)では対処法が限られるスイクンが特につらかった。ねっとうめいそうねむる@1みたいな型で簡単に負ける。しかもライボギャラの並びが多少の選出抑制になっているとはいえ、ファイアローに弱いのは見た目通りで、処理しようとすると手順がいる。手順を踏んでもH252以上に耐久に振ってあったり、はねやすめをタイミングよく挟まれると落とせないあたり、相当厳しい。
主にこういった要因により、真皇杯前に構築をコンセプトから変えることにしました。
そこで、もともと第五世代時代に考えていたギャラドスなどのポケモンとライボルトの組み合わせをここにきて持ち出すことにしました。第六世代初期の活躍によりライボギャラという並びが一般に知られているので、全く異なる戦術をとるこの構築にはプラス要素がそこそこ多いと踏みました。
ところで、このブログをご覧になっている皆様はかつて第五世代時代にライボルトとダグトリオの組み合わせが一部で話題になったことをご存知でしょうか?今回の構築はそれが発端となっています。
というわけでもともと第五世代でライボルトと組み合わせるポケモンとして考えていたのが、ダグトリオやギャラドス、パルシェンでした。で、ここにあとからゴチルゼルが加わりました。
ここで、どういう形を目指しているのかわからないという方もいらっしゃるかと思いますので、まずは話を進めるためにもこの構築で使用したライボルトを紹介します。
もちもの
こだわりメガネ
とくせい
せいかく
おくびょう
0-0-0-252-4-252
技構成
めざめるパワー氷(個体値は31-偶数-30-31-31-31)
すりかえ
見ての通りの眼鏡すりかえ型。メガライボルトは第五世代にはいなかったので、当時のライボルトとしてメジャーであった(と思われる)こだわりすりかえ型になるのはある意味必定となる。電気単タイプの弱点は地面のみであるというのがライボルトでこれをやる大きな意味となる。今回は攻撃技を撃つと固定されてしまうので連打の効くかえんほうしゃを炎技に採用した。なお、スカーフガブリアスの判定をするためには最速をとらずにスカーフを持たせるという選択肢も存在するが、すりかえ前の火力とすりかえ後のすばやさを重要視した。
起点を作るという点において、ライボルトには大きく三つ選択肢が存在すると私は考えています。以下、簡単に解説します。
1 メガライボルトで補助的に立ち回る。
物理アタッカーにはいかくで、特殊アタッカーにはバークアウトで能力を下げ、でんじはや不利対面に効きやすいどくどくをまくこともできる。また、一応ひかりのかべも張ることができるがこれはダブル向けか。
2 ライボルトで補助的に立ち回る。
基本的にはメガライボルトの時と同じ。いかくがなくなった上、全体的に能力が、特にすばやさが落ちるため、基本的にはメガストーンを他のポケモンに使いたい場合の妥協策。こうなると炎技を持たない限り劣化ライコウになる。
3 こだわりすりかえ
こだわりスカーフやこだわりメガネの効果により、すりかえを使った相手の技を縛ることができる。場合によってはアンコール状態が無限に続くといえば、はまったときの強力さが馴染みのない方にも伝わりやすいか。メガストーン持ちと、ついでにねんちゃくに無効なのは注意したい。
補助合戦では内容に劣り、不利対面ではそれなりの仕事しかできない補助的な立ち回りをする場合と比べ、今回採用したこだわりすりかえ型の強みは、補助型ポケモンの機能停止を狙えることと、ライボルトの不利対面に対して強力な勝ち筋を裏で用意できるという点です。これこそがこの構築における最大の狙いです。
その強力な勝ち筋こそがこのポケモンです。
もちもの
ふうせん
とくせい
かげふみ
せいかく
ずぶとい
252-0-252-0-4-0
技構成
めいそう
ねむる
種族値という面でみれば恵まれているとは決して言えないが、強力なとくせいであるかげふみによって対面した相手に引くことを許さず積む通称「ゴチルキャッチ」という勝ち筋を持つ。もちものは地面技を無効化するふうせんで、見せあい時点ではわからない隠れた地面への耐性を得ることになる。捕捉すると、カゴのみを持たせて一度だけねむり状態からすぐ行動できるようにすると自身の積み技による展開性能が上がるため、一般的にはこちらを持たせた型のほうが多い。ゴチルゼルにはちょうはつもしくは自身でのこだわりトリックから展開する型が存在するが、積み技や回復技を切らねばならず、全抜き性能の高さという点において劣る場合が多い。起点作成後か有利対面を作って繰り出すので、こいつが出た瞬間勝負が決まることも少なくない。
今回は物理耐久に特化してあるが、物理方面と特殊方面の仮想敵を明確にすることでまだまだ調整の余地を感じる。例えば、特殊方面のみに特化してキャッチする相手を選べば多くの特殊アタッカーを起点にすることができるだろう。
というわけでライボルトのすりかえでこだわりメガネを持せた相手をゴチルゼルで捕まえてめいそうとかげぶんしんを積むことがこの組み合わせの目的です。すりかえでこだわった相手がライボルトに弱点である地面技を撃つと、まんまと倒れた後に出てくるゴチルゼルの起点になるわけです。また、補助技や火力の足りない技でこだわった場合も同様に餌食となります。つまり、ライボルトの不利対面を後続の起点にして、そのまま全抜きして勝とうというのがこの構築のコンセプトとなります。
イメージ画像
また、能力下げでなくこだわりすりかえにすることで、ほえるやボルトチェンジといった技を途中で撃たれることなく、意図してつくりあげたそのままの対面で少なくとも相手のPPが切れてわるあがきで自滅するまでは、回復をはさみながら能力を上げることができます。
残り4体は以下の通りです。
もちもの
ギャラドスナイト
とくせい
いかく → かたやぶり
せいかく
ようき
4-252-0-0-0-252
技構成
じしん
ライボギャラの並びを見せることでメガライボルトによるサイクル展開を偽装するのみでなく、起点構築からのエースとして活躍できるりゅうのまいメガギャラドス。せいかくは一回積んでメガゲンガーより早くなるようようきで採用している。かみくだくかじしんのどちらかを氷のキバにすれば草タイプやドラゴンタイプに強くなれるが、技範囲より火力の出る範囲を重視した結果このような構成で使っていた。ボーマンダに止められることもあったので、技構成は考察の余地を感じる。
今回の並びではメガギャラドスがささる場面が多く、こいつを中心とした選出になることも多かった。ゴチルゼルと相性の悪いエスパー、ゴースト、悪、鋼といったタイプに強い点が構築全体としてはまっていた。
もちもの
とくせい
さめはだ
せいかく
むじゃき
0-0-4-252-0-252
技構成
がんせきふうじ
ほえる
サイクル戦にも全抜き体制を整えるためにも有効なステロ枠としての採用。あわよくば起点構築もこなそうというがんせきふうじと、自身が起点になることの回避に重点を置いたほえるを搭載している。初手対面した同族や、ステロを読んだり、ほえるされたりで裏から出てきてこちらを起点にしようとするボーマンダを狩るためのりゅうせいぐんをメインウェポンとしたいわゆるメテオガブ。やけども怖くない。
こいつのりゅうせいぐんに多くのボーマンダが餌食となった。某アグノム厨の方に古代兵器と揶揄されたが、いまだ有用性は高い。ただし、外すリスクが常に付きまとうのはご愛敬。
もちもの
ハッサムナイト
とくせい
テクニシャン
せいかく
いじっぱり
236-252-4-0-4-12
技構成
はたきおとす
フェイント
前回の記事と同じ個体。だいもんじやほのおのパンチを持っていないガルーラに強く出れるのがいいところ。先制技による圧力はやはり強い。
もちもの
いのちのたま
とくせい
かそく
せいかく
うっかりや
0-52-0-236-0-220
技構成
ばかぢから
めざめるパワー氷(個体値は30-31-30-31-31-31)
まもる
前回の記事と同じ個体。ガルーラに強いのはもちろんのこと、鋼タイプに強い点も好相性。
レートではシーズン開始から一位の人のレートが2000行くか行かないかという頃に1800まで乗りましたが、そこから負けが込んで一時は原点を割るといったこともありました。あと、レートではTODが存在するので、この構築ではやりづらいです。
なのでTOD禁止のオフが主戦場となりますが、こちらでも予選抜け次点からの抽選落ちが一回あっただけでそれも含めて全て予選落ちなので結果を残せたわけでもないです。
正直、ギャラドス以外の3体は未だ詰め切れていない部分であると感じています。こういった部分に対する回答を自分なりに用意できていればもう少しオフでいい成績を残せたのではと思います。
ただ、オフで相手の「やられた」という表情を見るのはとても楽しいですね。これがこの構築の一番の醍醐味だと思います。
P.S. では、第七世代でお会いしましょう
*ポケモンの画像はSerebii.netより